GHO連載企画 治療と仕事の両立支援に取り組む企業様インタビュー
高齢化社会・女性の社会進出・医療技術の進歩・定年制度の見直し等
企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。
企業を支える社員が安心して、ライフイベントと仕事の両立を図れる環境を提供する事で
経営陣と共に、企業を成長させる一員として社員が独自のスキルを使い活躍してくれることでしょう。
そこで先陣をきって両立支援の取り組みを行っている、企業様の事例からヒントを得られるようインタビューし、ご紹介していきます。
お話を伺った方:
サッポロビール株式会社
人事部 プランニング・ディレクター
村本 高史様(頸部食道がんサバイバー)
サッポロビール株式会社
広報部 広報室
齋藤 寛子様
目次
・当事者の想いを大切に一歩ずつ進めるサッポロビールの両立支援
・自身の経験を社会に還元する取り組み「いのちを伝える会」
・サッポロビール社内のがん経験者のコミュニティCan Stars誕生
・カミングアウトしてもしなくても、その人らしく活躍できる環境が大切
・日本初!異業種合同ピアサポーター育成研修
・これから両立に取り組む個人に向けたメッセージ
・両立支援に取り組む企業の方へのメッセージ
当事者の想いを大切に一歩ずつ進めるサッポロビールの
両立支援
ー御社が両立支援の取り組みを始めたきっかけを教えてください
最初のきっかけは、もともと風通しの良い会社だと思っていたのですが、2017年に当社健保組合のとっている数字を見てみると想像以上にがんの治療や、検査を受けている人が多くいるという事がわかったことです。このことから、がんなどの疾病に関して会社が十分な対応が出来ているのか考え、まずは制度内容やステップをわかりやすくまとめた「治療と仕事の両立支援ガイドブック」をつくることになりました。
―それまでは関連の取り組みはされていなかったのでしょうか
「治療と仕事の両立支援」は、「健康経営」の他、「ダイバーシティ」や「働き方改革」に
も関連するものです。実は企業としては「ダイバーシティ」に関して10年ほど前から、徐々に範囲を広げながら取り組みをしていた他、従来の健康関連の取り組みを一層強化すべく、2017年には「サッポログループ健幸創造宣言」を行いました。また「働き方改革」に関しては、コアタイム無のスーパーフレックス制度、時間単位の有休制度、テレワーク制度導入準備を進めていました。
そして2017年、これらを土台として「治療と仕事の両立支援ガイドブック」を作ろうという事になりました。私も自分の経験を通して提案したところ、一緒に制作に関わることになりました。
ー経験者の視点が入れば間違いないですね。御社が真剣に健康経営やダイバーシティ風土醸成に取り組み始めたのはなぜですか
サッポログループには大きな経営目標があり、その経営計画にそって各種取り組みを進めていくのが基本です。しかし、それらを遂行するためにも、やはり社員の健康は大前提なのです。そしてもう一つ、我々はお酒や清涼飲料水、食品などを販売し、人の生活を豊かにするという企業使命があり、我々サッポログループと健康は切っても切れない密接な関わりがあるのです。
ーなるほど。商品イメージにも御社の取り組みはリンクするわけですね。実際企業マターとして取り組んだことで良かった事などはありましたか
法定の健康診断以外の「生活習慣病検診」というのも、健保組合の負担に加えて会社が費用を補助して社員に受診してもらっています。やはり健康経営を進めていくうえでも、これらの取り組みはより強化して行う価値があると思っており、昨年からは「健康経営」の施策を「いのちを守る」、「健康を増進する」、「ちがいを強さにする」の3本柱に整理し、わかりやすく伝えるようにしました。
ーそれはトップの判断も影響しているのでしょうか
サッポロビールの現社長の髙島は、色々な場面でも「健康と安全が第一」と必ず口にしています。「仕事はその次でよいのか」と誤解を招きかねませんが、やはり仕事をきちんとやっていく上でも、「健康や安全を第一にしないと良い仕事はできない」という思いがあり、繰り返し口にしています。そしてその考えを全社員に浸透させるためにも、トップが発信し続ける事は必要だと思っています。
ー髙島社長は治療と仕事の両立支援の取り組みをどうお考えですか
この写真もそうですが、「がんアライアワードに応募したい」と相談したところ、すぐに「やろう!」と言ってくださり、サッポロ黒ラベルのおそろいのTシャツを着て、一緒にがんアライ宣言の写真を撮ってくださいました。本気で応援してくれています。
ートップの理解があるって素晴らしいですね
そうですね。私が厚生労働省が主催した「両立支援セミナー」に登壇してお話をした時、経営者の人達に伝えたかったことは、「経営者の役割は一番大きいです」という事でした。組織の旗振り役として声をあげていただくのは重要だと思います。一方で、よく人事担当者が「経営者の理解が得られない」という事を言っているのも耳にします。私は、それを両立支援を推進できない言い訳に利用して欲しくないと思っています。様々な企業事例がありますが、それらを参考にしながら「想い」をもって経営者の理解を求めるように動いて欲しい。しつこくアプローチして「そんなに言うならやってみろ」と言われるまで何とか粘ってみて欲しいとも思っています。
ー実際理解のない経営者の心を動かすものってなんなんでしょうね。
それぞれの会社の事情や経営者の考え方にもよるでしょう。しかし、他社の取り組みを伝えたり、国や社会全体が取り組んでいる「働き方改革実行計画」の中に「治療と仕事の両立」が入っているという事を伝えるのは大切でしょう。そして人を採用しようとしても採用できない時代が来ています。安定的に雇用を確保するために、今いる社員の安心感を確保し、モチベーションを向上させるのは重要です。その為にも治療と仕事の両立支援が必要な取り組みである事は確かです。したがって、何を言えばいいという事ではなく、自社の実情に照らし合わせて、必要性を認識してもらうというのを、いくつかの観点を持ちながら考えてもらうのがいいでしょうね。
自身の経験を社会に還元する取り組み
「いのちを伝える会」
ー村本さん自身のこれまでの取り組みを教えてください
頸部食道がんの再発で声帯を失う手術をしたのは2011年。そして声帯の代わりに食道を震わせて声にする食道発声教室に通いだし、そこを卒業したのが2014年3月でした。その頃から、その後の自分の人生の目的と使命みたいなものを考えるようになりました。そのうちの1つとして、自分の経験が会社の健康な仲間達にも何かの参考になるのではないかと考え、「いのちを伝える会」を始めました。
最初は、自分が人事として長く企業にいた事もあり、社内の知り合いが沢山いたので、その中で「この人は興味持ってくれるかな」と思い当たった人達に声をかけてスタートしていきました。結果的には600名以上の人に聞いていただく事が出来ています。
(サッポロビール広報室 齋藤様)私自身はがんになったりはしていないのですが、村本さんに声をかけていただき話を聞かせていただきました。来ていた人たちは、自社内でも知らない方も多かったのですが、自分には白血病を発症し若くして亡くなった友人がいました。なんというか、救いではないですが、あの時彼女が何を思い、何を感じていたのかに思いをはせ、それをみなさんと話すことによって新たな考えを気づかせていただきました。とてもいい時間でした。
ー沢山の人に聞いていただいているんですね。それだけの人に聞いてもらえるようになったのはどうしてだったのでしょうか。
活動を始めてしばらくした頃、「これから先どうしようかな」と思った時はありました。その段階で「いのちを伝える会」の話を聞いてくれていたのは50人もまだいないような頃でした。「これで辞めたらただの自己満足で終わってしまう」と思ってさらに続け、本社以外の営業拠点や工場にも行ってみようと考えました。そして自らある営業拠点のトップに連絡をして、「こうした活動をしているんですが、そちらでも開催させてもらえないですか」と働きかけてみたら「是非来てくれ」と言ってもらえたんです。そこからいくつもの拠点をまわり講演を通し、自分の経験を話してきました。お陰様で、感想もいいものを沢山いただき、自分でも少しは社内の仲間や会社に貢献できたかなと思えるようになりました。
ー活動を自ら提案して広げていったのは素晴らしいですね。
自社内だけではなく、社外の人向けにも会を開催し始めて6回ほどやっています。コロナの影響で今はオンライン開催になりましたが、その分遠いところにいらっしゃる方の参加もあり、それはそれでよかったなと思っています。本当は、こちら(サッポロビール本社)で開催して、終わった後は一緒にビールで乾杯したいという気持ちもありますけどね。
ー社外の人達にもピアサポート支援を広げているのもいいですね。どうやって参加者を募っているのですか。
ちょうど2014年から国立がん研究センターの患者・市民パネルに参加していました。そこで知り合った方達や、以前に一緒に仕事をした方達を中心に声をかけて開催していました。最近はまたどんどんサバイバー仲間などの知り合いが増えてきていますので、Facebookなどで開催をお知らせすると、それをみて申し込んでくださる方達も増えました。
ーピアサポートの輪が広がっていていいですね
ちなみに、そうした会では営業ではありませんが必ず「サッポロビール」というのは強調するようにしています。やはりサッポロビールの良いところでもある、温かい企業風土というのは伝えていかないと分かってもらえない。恩返しではありませんが、機会があれば自分の大好きなサッポロビールの良さを他の人に伝え、結果的にファンを増やせたらいいなと思っています。
ー自社を愛している社員がいるというのは最高の企業のプロモーションになりますね
ちょうど今年2020年に企業理念の体系が変わりました。その中のビジョンに「誰かの、いちばん星であれ」というものがあるんです。これはプロダクトだけの話ではなく、人として誰かのいちばん星であれという意味も含まれていると私は解釈しています。愛されるブランドというのも商品だけの話ではなく、社員一人一人が作り上げていくものでそれ自体が企業の魅力になるわけです。
サッポロビール社内のがん経験者のコミュニティ
Can Stars誕生
―サッポロビールのCan Starsについて教えてください。
2018年の2月に、朝日新聞社の「ネクストリボンシンポジウム」で講演をしました。その反省会で、アフラックさんが自社内にがんサバイバーの社内コミュニティを作るという話を聞きました。それを聞いて、「ぜひ自社でもやりたい!」と思うのと同時に、サッポロビール社内で働くがんサバイバーの顔が何人か思い浮かんだんです。その後、アフラックさんに話を聞かせてもらうために連絡をしたら、自分の体験談をお話させてもらう事になりました。その時、アフラックさんの社内コミュニティ「All Ribbons(オールリボンズ)」との会合に参加したんですが、やはり皆さんの顔が非常に生き生きしてるんですね。これはやはりサッポロビールでもやりたいと改めて思いました。
(All RibbonsとCan Starsの交流会)
ー良いモデルケースがあったんですね。
とはいえ、会社に「がん経験者の社内コミュニティをつくりたい」と提案するにしても賛同者がいた方が説得力があると思いましたので、手始めに頭に思い浮かんだ社内にいる数人のがんサバイバーに「こういうコミュニティがあったらどう?」と聞きました。そうしたら「待ってました!」とか「是非参加させてください」という連絡が来て、「これはイケる!」と思いました。その後、彼らの声も取り入れて人事部内の了解や経営承認を得た上、社内募集をし、2019年3月に立ち上げました。名前はがんを表す「Cancer」、私たちができることの「Can」を掛けた「Can」とサッポロビールのシンボルである星を組み合わせ、「Can Stars(キャンスターズ)」にしました。参加者にこの活動に参加した理由を聞いたところ、「自分の経験を生かしたい」という気持ちや「この会社が素晴らしい会社であるということを、一般社員にもっと知ってもらいたい」という想いを聞かせてくれました。
ー企業内コミュニティの良さを教えてください
病院や患者会、そしてがんと働く応援団のようなサポート団体等、色々な場所でピアサポート活動は行われています。しかし、働くがんサバイバーの率直な声として、まだそうした自分とゆかりのない場所の患者会に参加するのはちょっとハードルが高いと感じる方がいます。その点、このCan Starsは慣れ親しんだ場所に、病気の事を気軽に話せる仲間がいるというのがいい。同じ会社の中で安心して話が出来るというのは企業内コミュニティの一番の良さだと思っています。
―参加ハードルが低いのはいいですね。
参加する方法も2パターン用意してあります。当社の風土を考えると、上司に社員が活動に参加する事を了解してもらった方が本人が動きやすいと思い、「本会員」は上司に了解を得て参加してもらいます。しかし、上司や周囲にも言いたくない、言わなくてもいいと思っている人も中にはいるでしょう。そうした人たちは、「メール会員」として誰にも了解を得なくても参加できるようにしています。これはがん治療をしてから時間がたって現在の上司には伝えていないケース等を想定しました。実際は本会員の方が多いです。
カミングアウトしてもしなくても、その人らしく活躍できる環境が大切
ー顔出しで参加してくださる人が多いというのは心強いですね。
参加者の氏名や病歴等の個人情報は厳格に守るのが大原則です。ただ、NHKでCan Starsの活動を取り上げてもらった時、一緒に出演してくれたことをきっかけに「顔出ししてもいい」と言うメンバーも増えました。
しかし、私自身、一般論として自分ががんになったことをカミングアウトするかどうかはあくまでも本人の自由だと思います。「カミングアウトしたことで不利益を受けるんじゃないか」と悩む人がいたり、遠慮があったりするのもとてもよく理解できます。けれども、カミングアウトすることができれば得られる配慮があったり、使える制度があったりするので、カミングアウトをしやすい風土をつくっていくことが何よりも重要です。また、カミングアウトをしても・しなくても、その人らしく活躍していける環境を作るというのが大切かと思っています。
―その時のその人を理解し受容する組織、まさにダイバーシティ型組織ですね。
少し話がそれますが、昨年2019年サッポログループ全体でダイバーシティに関するマネジメントセミナーをやりました。テーマは「がん」と「LGBT」でした。がんのパートは私が話して、LGBTは外部から講師を呼びました。やはりがんに比べてLGBTはさらにカミングアウトしにくい。でもカミングアウトしてもしなくても、「この会社で働いていいんだ」と心理的に安心しながら働き続けられる風土をつくる事が大事だと思いまいた。「そういう人がいるかもしれないけど、それでも大丈夫」という職場づくりが必要ですよね。
―風土をつくるのは両立支援以外の取り組みでも出来そうですね
(サッポロビール広報室 齋藤様)社内に健康アンバサダーという制度をいれて、社員の健康に対する意識を高める活動をしています。アンバサダーに手をあげてなった社員には、講習会を受けてもらい、時々周囲に啓発してもらう。そんなちょっとした活動も意識づくりにはいいかと思っています。また、会社のイントラネットに、Can Starsメンバーの体験談を定期的に配信しているんですが、そちらにもちゃんと感想をいただいたりしているので啓発の役に立っていると思っています。
日本初!異業種合同ピアサポーター育成研修
もう一つ、最近新たな活動が始まりました。去年の秋頃に「そろそろ企業内のピアサポーターはスキルを身につけていきたいね」という話を、以前より交流のあったアフラックさんやカルビーさんと話していました。そこで、長年治療と仕事の両立について活動されている桜井なおみさんに来ていただき、WorkCAN's(ワ―キャンズ)と題して企業合同ピアサポート研修を行うことにしました。
― 一社ではなく、様々な業界の方とというのがユニークですね
コロナの影響もあり、開催を何度か見送り、最終的にはオンラインで記念すべき第一回目を開催しました。賛同いただき参加したのは、アフラック生命保険株式会社、カルビー株式会社、株式会社電通と、サッポロビールの4社です。
― 実際開催してみていかがでしたか
ケースに基づくロールプレイも含めて非常に盛り上がり、やってよかったです。参加者達の感触もよく、今からもう早く2回目を開催しよう!と言っているメンバーもいます。WorkCAN's の活動は働くサバイバーが企業を超えて一緒に取組んでいくことも重要だと思っています。ですので、どういう企業とというのではなく色々な企業、中小企業で働く方達にも集まってもらってやっていきたいと思っているところです。
― どんな方でも参加してもいいんですか。
そうですね、基本的にはいいと思っています。しかし、人事の方だけになるとどうしても当事者の思いとギャップがあったり、思い込みでその企業の取り組みを進めたりする懸念があるので、必ずがん経験者である当事者と一緒に参加してもらおうと思います。あともう一つ、単に「自分が繋がりたい」ではなく、「みんなを巻き込んで何かしていきたい」という想いを持つ仲間に参加してもらい、盛り上げていきたいと思っています。
これから両立に取り組む個人に向けたメッセージ
私から伝えたいのは、言いたくないという気持ちや、遠慮するという気持ちを持つのもわかりますが、開示をすれば必要な配慮を受ける事が出来るかもしれない。その点はよく考え、決めていただきたいです。それともう1つ。「決して一人ではないですよ」という事を伝えたいです。同じような悩みや苦しみ、事情を抱えている人は社内にもいるかもしれないし、社内にいなくても社会の中にはきっといるはずです。そういう誰かを見つけて仲間を作っていくのは大事だと思っています。そうした誰かを見つける為には、自分が「信頼できる」と思った人、例えば上司や同僚、人事担当者、もしくは社外の友人など、そう思える人に率直に話すところから始めるのがいいと思います。
先ほどのCan Starsや WorkCAN's もそうした仲間作りを後押しできるような場になればいいかなと思っています。でも、「開示はやっぱりしたくない」というのであれば無理して言う必要はありません。しかし、そういう風に思い続けなくてはいけないわけでもないので、ちょっと気持ちが前向きになった時に改めて考えてみてもいいと思います。無理に一歩踏み出す必要はありません。
両立支援に取り組む企業の方へのメッセージ
担当者の方で両立支援にこれから携わっていく方に伝えたい事は、実際に厚生労働省の両立支援セミナーで全国で基調講演を行った時にお話した内容でもあるのですが、一番大事なのは一人ひとりと対話をすることだと思っています。率直に対話をして出来ることを追求しながらサポートするのが一番重要だと思います。
厚生労働省の「事業場における治療と仕事の両立支援ガイドライン」など、参考になるものはありますが、マニュアルはあくまでも一例にすぎません。例えば、「自分の会社の強みを活かしてここから始めたらやりやすいんじゃないか」とか、「社長が日頃こんなことを言っているから、そこに紐づけしていったらわかりやすいんじゃないか」等、自社の特徴を生かしてやればいいと思います。そして、会社という組織である以上、病気を罹患した社員が言っている事すべてに対応できない事もあると思います。できない事はあるにしても、それ以外でできることを対話をしながら探していけばいいわけなんです。全てを自社でやる必要ありません。病院や、産業保健支援センター、あるいは病気を罹患した社員の側に立った支援団体等、色々なものがありますので必要なところと連携するのもいいと思います。
一番もったいないのは「うちには出来ないよ」と思い込んでしまう事。模範的な他企業の真似をしようとすると聞こえてくる声です。他社事例はあくまでも参考に留め自社の強みや実情と向き合う。これをぜひ実践して欲しいです。
―自社の特徴を把握して、両立支援を進めていく。大事な視点ですね。
仕事と治療の両立に関して、がんに罹患しても働き続けられる企業であることを望むのと同時に、一般社員を含めて社員の想いを大切にしながら、様々な人が働きやすい風土を「対話」により強くしていく。これが私の想いであり、我々サッポロビール社内に浸透している一つの文化だとも思います。
そしてこの両立支援に関して、「サッポロビールだから出来る」という事ではなく「サッポロビールでも出来るんだ」という風に思っていただきたい。私たちが当事者の想いを大切にして一歩ずつ積み重ねてきたように、どんな企業でも、その企業に合った形の両立支援があるという事をこれからも積極的に伝えていきたいと思っています。
ー武士のようにブレない一貫した強い気持ちを持ち、活動している村本さんの言葉はきっと多くの人に先に進む勇気を与えると感じました。今回は貴重なお話どうもありがとうございました。
2020年11月16日
聞き手:がんと働く応援団 吉田ゆり、野北まどか
文 章:吉田ゆり
写 真:サッポロビール株式会社様提供(マスクをしていない写真は2019年以前に撮影)
サッポロビール株式会社の取り組みのご紹介はいかがだったでしょうか。
ぜひご意見・ご感想をお聞かせください。
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